23.ついにTherme Valsの内部へ
- hinakokuga
- 2017年11月22日
- 読了時間: 4分
最近は相変わらずスタジオ課題に追われています。
あぁーテルメバルスに戻りたい。でも今は、敷地を訪れたり、デザインをしている段階で、 長らく待ち望んでいた一番楽しい時期です。この課題についてはまた今度。
課題の合間に一息つこうとブログをば。
ということで、テルメバルス(Therme Vals)の感想の続き。
テルメバルスは平たく言うとピーターズントー(Peter Zumthor)が設計した温泉スパ施設と前回のブログで言いましたが、ちょっと平たすぎるので簡単に構成の補足。

これは、ズントーによるドローイング(上二つと右下)と、平面図(左下)です。(http://architecturalogy.com/peter-zumthor-therme-vals/から参照)
このように、大きな空間に小さな空間が点在しています。それぞれの空間が石の素材のボックスでできており、図面における左下の部分は屋外になっています。
図面や写真は学部の時からたくさん見ていたけれど、ついに、念願のテルメバルスデビューです。
内部は写真がとれないので拙い私の感想のみで。(不安)
私たちは7132hotelに泊まったので、夜と朝、どちらも堪能することができました。ホテル利用者だけが入れる時間もあるみたい。(あまり気にせず入ったのだけど、人が少なかったからその時間だったのかも)
まず、夜のテルメバルス。入った瞬間、不思議なミステリアスな雰囲気に圧倒。洞穴のようでもあり、もっとヌメッと、色気のある空間。
神聖な趣の石の空間に水が張られ、そこに人が浮かんでいる様子は、まるで異世界のようです。水の深さも、異様さを生んでいます。(日本の温泉やスパとは異なり、基本的に私の肩くらいまでの深さです)
点在する小さな空間(私はこういう空間を勝手に壺空間と呼んでいる)は、石のボックスでも各々壁の色や仕上げが異なっていて、特徴的な雰囲気を持ちます。
お湯の温度もそれぞれ違いますが、基本的に日本人にはぬるめ。笑
一箇所、赤い壁の部屋の温度が良い湯加減で、少し寒くなったら定期的にそこに戻りました。その部屋は外国の方には少し熱すぎるみたいで、しばしばゆっこと2人きりでした。笑
それぞれの空間を楽しむことができるだけでなく、ボリュームの隙間の空間、他の空間との関係も魅力的。くぼみに収まって水に浸かってみたり、違う場所へ歩いてみたり。
朝は、夜と比べると、もう少し爽やかな気持ち良さがあります。
特に、屋外部分は建築も人も自然の一部と感じます。

↑お湯からは、こんな景色が見えます。(後で外から撮った写真です)
水と放牧された山羊の首についた鈴の音だけがコロコロと響く空間。
水の中の、重力を感じない状態で景色を見るのは、立って見たり座って見るのとは全く異なる印象。ここは天国か?と。
日本の温泉とは違って、頭を水につけて完全に浮かんでもOKなマナーなので、あまりに気持ちの良い空間に、ひたすらプカプカ浮かんでいました。
また、明るいのでじっくりと建築を観察することもできました。
天井の隙間からの光が窪みの陰に落ちて美しかったり、
シンプルな線で綺麗な手すりが石の空間にそっと添えられていたり。
ズントーが作るのを嫌がって、棒に埋め込んだという時計もバッチリ見ることができました。
正直、ラグジュアリーなホテルの雰囲気とズントーの素材が組み合わさったら、神聖さが減って安っぽく見えてしまう部分もあるのでは、と思っていたのですが、ふわふわ浮かんでいると、、そんなのどうでも良くなりました。笑

↑外観はこんな感じ。ラインがシャープで綺麗。

↑左に湯気が見えるように、この上が屋外の温泉になっています。どう頑張っても中は覗けません(当たり前)

↑正方形の窓は、室内からみたら、覗き穴のようでもあり、景色を切り取るフレームのようでもあり。
交通費、宿泊費含めると相当高いけれど、それでも行くべき、そしてテルメバルスをとことん堪能することができるので泊まるべき建築でした。
というか、むしろ安いのでは?(ゆっこは北欧の物価、私はスイスの物価に狂ってはきている)
大満足でテルメバルスを後にし、麓の街を少し散策。

↑こじんまりした大きさが心地よい街です。

↑ETHでも教鞭をとっているカミナダ(GIon A Caminada)のHotel Alpina。シンプルですがこの街にあった雰囲気です。

↑スイスの山岳地帯ではしばしば見かける建築。

↑屋根は石でできています。

↑バナキュラーな家も魅力的。

↑鱗のような壁。

↑聖ベネディクト教会から車に乗せてくれたカップルがおすすめしてくれた、スカンディナビアの建築家が作ったB&BのBruecke49。

↑ド派手な建築も。
この派手な建築の前の停留所からバス停に乗り、途中電車に乗り換え、チューリヒに一度戻ってから、改めてバーゼルに向かいました。続きは次のブログで。
(先週の土日のことをどれだけ引っ張っているのだろう、、、苦笑)
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