54.フェズ観光後半(フェズ・エル・バリ)
- hinakokuga
- 2018年4月29日
- 読了時間: 4分
前回のブログに引き続き、モロッコの旅4日目の午後は、フェズのメディナ(旧都市)、フェズ・エル・バリ(Fez El Bali)の観光をしました。
(イスラム教の女性は写真に撮られることが嫌いな方が多いらしいこともあり、人が多いところや宗教施設ではあまり写真を撮らなかったので、以下、装飾のズームアップの写真が多くなっています。)
初めに、ブーイナニアマドラサ(Mederesa bouanania)に行きました。世界遺産です。

ブー・イナニア王によって建てられた14世紀のマリーン朝最大の神学校です。大理石で敷き詰められた中庭は、威厳を感じる空間でした。







幾何学模様の彫刻やモザイクタイルが本当に緻密で、人間で手で作ったとは到底思えない建築です。すごい。としか言えないほど、圧巻の空間でした。
神様が作ったと言われても納得してしまうようなこんな空間で勉強やお祈りをしたら、信仰心が深まりそうだと感じるほどでした。笑
その後、タラアセギーラの通りを東に進んで行きました。
↓綺麗なパターンの泉。

↓イスラム教らしい物(?)が売っていました。

ネジャーリン広場(Pl. Nejjarine)(世界遺産)に到着。世界遺産です。


↑広場には美しいモザイクに覆われた泉があります。彫刻とモザイクが高密に調和しています。
泉の隣には、ネジャーリン・フンデュークがあります。

元々は高級ホテルの一つだったらしいですが、現在はネジャーリン木工芸博物館となっています。入り口の彫刻は緻密です。
サヴィア・ムーレイ・イドリス廟(Zaouia Moulay Idriss)に到着。世界遺産です。

かつてのイスラム教徒の駆け込み寺だったそうです。イスラム教以外は入れないので入り口からのぞいただけですが、聖域だけあって、威厳がありました。
途中、綺麗なスーク(市場)がありました。

キサリアと呼ばれる織物は同業組合形式で売り上げを共有しているそうです。
店員さんは他の場所では無理矢理でも買わせようと客引きをしてくるのですが、ここでは他と比べてガツガツした感じを受けず、客引きも全くされず座ってのんびりしている人たちが多く、共産主義の一片を見たような(?)気持ちになりました。笑
その後、アッタリーンマドラサ(Medersa El Attarine)(世界遺産)に行きました。

マリーン朝の神学校です、入り口から覗いただけですが、ブーイナニアマドラサよりは小規模ながら、装飾は見事でした。
そして、カラウィンモスク(Mosquee Karaouiyne)(世界遺産)を覗きました。こちらも異教徒は入れませんが、祈りの場としてだけでなく、学問の場としても歴史が長く、現在も「大学」として登録されているそうです。入り口から覗いたところ、室内は白い柱が並んでいてカーペットがひかれた上でお祈りをしている人たちがいました。
その後、迷いながらもサファリーン広場(Pl. Srffarine)(世界遺産)に到着しました。銅製品がたくさん売られている広場です。大工たちが手で金物を作っているのを見ることができます。


そして、タンネリショワラ(Tanneries Chouara)へ向かいました。タンネリショワラとは、なめし皮染色職人街です。フェズは革製品が有名で、タンネリショワラは革の染色作業を見ることができる場所です。

↑タンネリショワラへは、奥まった道を進みます。
暗い道を抜けて、人通りも少し減った場所を過ぎるとタンネリショワラはありました。この地域では、ぼったくられやすいと聞いていたので、声をかけられても基本的には断っていました。しかし、なかなか自分達で作業場が見れる場所を見つけるのは難しく、迷っていたところ、優しいカーペット屋のおじさんが染色作業を見れる屋上を教えてくれました。無料で屋上に入れてくれると後で革製品を買わされると聞いていたのですが、そんなこともなく、無事に見ることができました。
丸い桶で手で染めていたり、屋上やテラスで革を干している光景を屋上から臨みました。




染料のツンとした独特の匂いがする一帯です。赤や黄、茶色の染料のコントラストや、染め上げられて干されている革の光景はなんとも強烈なインパクトがありました。
その後は、ギッサ門(Bab Guissa)からメディナを出て丘を登って街を展望できる場所に行くことにしました。
門までの道はどんどんメディナの奥まった方向に向かうので、ローカルの人たちが多く、観光客は少なかったです。





マリーン朝(Tombeaux Merinides)の墓地に到着。

城壁に登り、夕焼けの中、フェズのメディナ全景を見下ろしました。






高密度に広がるジオラマのような景色を見て、ここにたくさんの人々が生きているのかと想像すると、なんとも不思議な気持ちになるとともに、えも言われぬ感動がありました。
そうしているうちに、日も暮れてきたので、ルシーフ広場の近くでケバブを買ってホステルに戻りました。

途中インフラが作られてたり、建設現場を多く見かけ、時が止まっているような印象も受ける古都でも、変化もしているのだな、と感じました。


このように、この日はフェズの街をたっぷり見ることができました。
フェズは、宗教施設をはじめとした建築の装飾の美しさはもちろん圧倒的なのですが、美しいだけの街というよりは、かなりカオスで人間的な側面も強く、エネルギーを強く感じた面白い街でした。古くから、たくさんの人々がを惹きつけてきたというのも納得の魅力がありました。
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