26.スタジオ中間講評について
- hinakokuga
- 2017年12月12日
- 読了時間: 6分
先々週の火曜、水曜(11/26.27)とスタジオ設計課題の中間発表がありました。 2週間経て、かなり方向性が変わったのですが、とりあえず、中間講評の様子とこれまでのプロセスのメモのブログを。 先日発表したリサーチ(Atlas)と引き続き、フラビオと共に最終講評までデザインをやります。 Atlasを全てのグループ分集めて、それをデータフォルダのように、材料として使って設計していきます。 敷地はチューリヒ駅周辺広域で、そこから各々の2人組グループが具体的な場所を選びます。 まず敷地について。 私たちは、チューリヒ中央駅から駅までの高架上を敷地としてえらびました。

↑この線路の高架が敷地。全長2キロ近くあります。

↑たくさんの線路を跨いでいる高架(列車が横断している路線)が私達の敷地です。

↑街中を通ります。

↑川を跨いでいる部分も。 (上の4枚はフラビオによる写真です)
他にも、前回のブログで書いたように、一部高架下に素敵なお店がたくさん入っているエリアもあります。 私たちは、先日のブログでも書きましたが、Atlas ではRöngstrasseというストリートをとりあげ、もともと線路の土手だったところに、どうストリートが出来たかを調べ、表していました。 今回の私たちの設計では、今あるこの線路が取り払われたらどうなるか、というのを考えています。 というのも、トラムなどで代替となる路線や、地下の路線があり、この高架上の路線は重要度があまり高くなく、それよりも途中のエリアを歩行者のために繋ぐ必要性、及び敷地としての利用価値の方が高いと考えられる場所だからです。(例えば線路を横断して歩行者が歩ける橋がなくて不便etc) この辺りはスイス人のフラビオと組んでいるからこそ分かったことも多数。 ニューヨークでいうハイライン、パリでいうプロムナードプランテ(Promenade Plantee)、日本でいう東横線(?)、 といったような、高架の跡に何を作るか、というプロジェクト。 中間発表について。 中間までは、基本的には市民のための公共空間としての公園を提案していました。 あまりに大きな敷地で、全てを細かく設計するのは不可能なので、ゾーン分けと全体のイメージをマスタープラン(都市計画図みたいな)で描き、鍵となる建築や広場を具体的にデザインするというアプローチを行なっていました。 発表まではあまり時間がなかったので、(リサーチの発表が11/7でそのあと0からテーマを決め、中間発表は11/26.27)勢いではじめのアイデアを形にしました。

↑発表は、このような様子で、2日間かけて行われました。

↑私たちのパネルはこんな感じ。

↑全てのパネルが私達のものです。
東大では、A1の紙の中に図面やイメージ画像などを全てレイアウトしますが、こちらでは、それぞれの絵を完成させて、それらを壁パネルいっぱいに配置するといった感じです。

↑アイデアに利用したAtlasのパネル。(これらは他の学生が作ったものです)

↑私達のスタートポイントでもあるRöntgenstrasse の変容(transformation)を表すAtlasのパネル。(私達が以前作った図面)

↑敷地の位置を示す図面。

↑マスタープランニングのドローイング。



↑分かりにくいですが、平面図の上にイラストのようなアクソメを細かく書いています。 トレーシングペーパーに描き、スキャンして重ねています。



↑イメージコラージュと、立面図。下にはどんな景色が順に見えるか並べて示しています。 基本的には図面は全て半々で作業していましたが、マスタープランは私がメイン、コラージュはフラビオがメイン。 日本では、フォトリアルな(写真のような)イメージ画像を作ることが多く、このようなコラージュを使う機会はあまりないし、まして手書きを発表に使うのなんて学部3年ぶり。 でも作業自体は楽しかったです。特に手描きをするのは、パソコンにずっと向かっているよりも好き。笑 中間講評では他の人の発表もほぼ全て聞きましたが、結構攻めたことをやっている人も多数。

↑メモの一部。だいぶ汚いけれど、こうやってスケッチで残しておくと、私にとっては言葉より振り返った時に思い出しやすくて良い。 中間での教授からの講評では、私たちはコンセプトからジャンプしすぎであることを教授たちに指摘されました。 具体的に言うと、Röntgenstrasse では、どう線路が街に変わっていったかリサーチしていたのに、こちらで線路が変化する先が、あっさり公園で良いのか?と。 確かに、バーやレストランなどの建築や広場をポイントで作るとは言え、はじめに公園を作ります、と言い切ってしまうのは暴力的すぎたなぁ、と。 とりあえず中間後は、さらに周りのリサーチを深めてから、上に新しく“都市“を作るような感じで設計していくことに。住宅のエリアやオフィスのエリアも作りました。 敷地を選んだ背景と大まかなデザインのイメージは残るところはあるといえ、1度目の大きな路線変更。 また、線(マスタープラン)をデザインしてから、点(建築)の部分を設計するだけでなく、もっと、点から線の部分を考えるために、たくさんの瞬間をイメージして描くこともアドバイスされました。先週の火曜のミーティングまでは、全体のマスタープランと、部分の建築を細かく設計したもの、両方を持って行こうという話に。そのために先週も休日返上で作業。

↑トレーシングペーパーを重ねてさらにガリガリマスタープランのイメージを描いたり。 部分的な敷地模型を作ったり。1/200のスケールでとりあえず建築を考えてみたり。

↑これは先週のミーティングの様子。

↑何枚もトレーシングペーパーを重ねて考えた軌跡。
そして先週の火曜のミーティングでは、さらに大きく方向性が変わりました。笑 またまた早く結論に急ぎすぎだ、と。 さらに軌道修正しながら設計を続け、今に至ります。 2度の大きな路線変更を経て、しっくり来る方向にはなりましたが、コンセプチュアルな部分が多くとても難しい。今もたくさんフラビオと相談しながら、探りながら作業しています。 さらなる路線変更はもうしないはずなので、そちらについての内容は、最終講評の後にでも。 ———— スタジオは2人でプロジェクトをやっているということもあり、提出直前でなくても、土日もミーティングをするために学校に行かなきゃいけなかったり、逐一全ての予定を報告しなきゃいけなかったり。ほかの課題や作業をする時間まで全部伝えて、自分の好きなように動くことができなくて息苦しさがあるときも。そしてフラビオは、何週間も休みをいらないというタイプ。 (1人が好きな人間、オンオフしたい人間にとっては、結構これは想像以上に大きなストレスだったりする) まあこれも社会に生きる人間として大事な勉強だわな、と。笑 それに、ブログからも分かるとは思いますが、11月頭までと比べると、そういう状況ともうまく付き合えるようになってきて、結構自分の時間も作らせてもらえるようになってきました。 中間発表の3日前にパーティに行ったくらいだし。笑 (まぁそのパーティにいくためにその日の朝5時半まで学校で1人作業していたのだけど。笑) 長々と語ってしまいましたが、スケールの大きなプロジェクトに悪戦苦闘しつつも、楽しんでやっています。 19日の最終講評に向けて、引き続き頑張っていきます!講評後はクリスマスマーケット行きまくるぞ!!!笑 (でも来学期は、家とか内装とか、もっと小さなプロジェクトをやる設計スタジオを取ろうかな。笑)
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