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30.12月の振り返り(フィルムの授業について)

  • hinakokuga
  • 2018年1月17日
  • 読了時間: 5分

今更ですが、12月のチューリヒでの生活の振り返りの続きを。 まずスタジオ以外の授業について。 11月までと変わらず、レクチャーを受けたり、絵を描く課題をしたりしていました。

レクチャーは、建築家の講演や、現代建築ついてだけではなく、ガーデニングや本の編集についての内容のものもあります。

↑これはガーデンのレクチャーの発表の中の写真で、ロバート・ブール・マルクス(Burle Marx)が絵を描いているところ。彼はぶっ飛んだデザインも多いけれど、ブラジル人らしい色使いや曲線の使い方が面白い。私は彼の描いた壁紙のような半屋外空間の部屋が欲しい! 他にもレクチャーで気になったガーデナーとしては、ガートルード・ジーキル(Gertrude Jekyll)。作品もどれもとても綺麗でまたチェックしたいところです。 他に特に印象に残った授業としては、Action! On the Real Cityという短編ドキュメンタリーを作る授業がありました。 この授業では、始めに、チューリヒにあるOerlikonという地域の、駅・広場・公園・ストリートといったいくつかの場所から各々敷地とテーマを選びます。そして、皆、スマートフォンで動画を撮り、Adobe PremiereやiMovieで編集して3分前後の動画を作ります。 私は、Oerliker Parkという公園で、layerというテーマを選びました。 近くにMFO Parkという面白い公園があるので、そこで動画を撮ろうと意気込んで、公園をテーマに選んだのですが、敷地に向かう途中のこの公園で何故だか足が止まってしまい、ここを敷地にすることに変えました。 Oerliker Parkは2001年に作られ、MFO Parkと共にZentrum Zürich Nordの計画のなかで作られた4つの公園の1つです。(Wikipediaより) ちなみにMFO Parkは、都市の中にいきなりジャングルが現れるような、かなりぶっ飛んだ立体公園です。 このOerliker Parkは、ぶっ飛び度は少し劣りますが、広場や木々・泉だけでなく、パヴィリオンや大きなチェス、卓球台、BBQ台など、幾つもの小さなオブジェクトがいくつも置いてあります。 ただ、ここをテーマに選んだは良いものの、肌寒い季節で人もなかなか来ないし、パッと見、動きがあまりないし、駅をテーマにした方が撮りやすかったかもなぁと、寒さにガタガタ震えて自分に半分キレながら、ひたすらじっくり観察しました。 すると、色々な小さなオブジェクトの周りにできた、いくつもの世界がレイヤーのように重なって、何か異世界を作り上げているように見えてきて。 1つ1つ自体は物珍しくもないものも多いのですが(チェスや卓球台はヨーロッパの公園ではよく見かけます)、それらの不思議なバランスが神妙なハーモニーを生んで、なんだか惹きつけられたのかな、と。 それを表現しようとParallel World というタイトルで動画を撮りました。 シンプルで、革新的ではないテーマですが、自分が観察したそのままの目を残したい、と動画を撮影。

 ↑動画の一番初めのシーンのスクリーンショット。

↑ 動画の一部で、お気に入りシーンのスクリーンショット。(傾いてしまっている) 生まれて初めての動画作品。しかも私は普段、あまり映画や動画を見ないので知識が皆無。さらに最後はバタバタしすぎてタイトルのフォントを熟考したり傾きなど調整する時間なく提出。

12/11、スタジオ設計課題提出の1週間前に、プレゼンテーションがありました。

これで良いのか?と自信0で発表。 しかしいざ発表してみると、予想以上に評価されたコメントをもらえました。 先生には、皆の発表の後にわざわざ取り上げてもらったり、 「ストラクチャーが面白いね。」「途中スタッカートになったり音楽のようだね。パンケーキを焼くみたいでもある。」 「日本のアニメやゲームっぽい印象を受ける時もあって面白いね。人の早送り、途中場面が中断して切り替わるところ、それにフォントも。」 などとコメントをもらいました。 他の学生からも、 「君のフィルム好き。画角良いね、誰からインスパイア受けたの?」 「どう最後にまとめるのかと思ったけど、良いまとめ方だね。」 「最後をはじめの言葉に繋げて伏線を回収するのも面白い。」 などと言ってもらいました。 なにかを作って純粋に褒められるってことって最近なかなかないので、素直に嬉しかったですが、予想と全く違う点を評価されて驚きました。 特にフォントとかは完全に偶然の産物で、ダサいかも?とも思ったけれど、周りの雰囲気と上手く合わさったみたい? 他の学生は、シンフォニーと都市のリズム(路面電車など)を合わせたり、完全にフィクションでドラマを使っていたり、音楽を載せて、ゆらぐ躍動的な映像にしたりと、様々な作品がありました。色々な個性を見ることができて面白かったです。 その後は、建築を作る上、表現する上で、フィルムがどう役割を担うかのディスカッション。 私は、フィルムを作ることは、他者に伝えるということ以上に、自分がこの公園を理解する点、観察を深めるというインプットの点で、かなり有効的だな、と実感。 そしてこの授業は、動画の出来以上に、自分では意識していないところを「日本的」と面白がられることもあるのだなぁと知れたことが収穫でした。 確かに、「Superdry.極度乾燥しなさい」のブランドだったり、変な漢字や日本語の刺青が流行っていたりするしね。笑 ヨーロッパのデザインの方がなんでもおしゃれに見えがちですが、惑わされてはいけなくて、きちんと審美眼を磨いていかないとなぁ、と。 私のアイデンティティはやはり日本人であるし、ヨーロッパから盗めるデザインは盗み学びつつも、東アジアの面白さも大切にしつつ、自分の色を探して行きたいな、と。 特に建築は、その敷地に作るものであるから、日本の都市に西洋の建築をそのまま真似して持って来ても、浮くしね。 留学の主目的の1つに、他国との対比から日本を理解することがありますが、図らずも、それを思い出すことができた授業でした。 そしてまた時間があったら動画を作ってみたいなぁ。 ただ、あまりにフィルムについて知識不足なのでもっと見て勉強したい。笑 ちなみに拙作ですが私の初動画作品(by iphone7)はこちらです。笑 ↓

来学期も、スタジオ以外にも、このような面白い授業をとれると良いなぁ。

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